映画「ルーム」を観ました。
本作では実話をもとに、部屋に7年監禁されていた母子の脱出劇と、その後の成長・苦難が描かれています。
母親役を演じたブリー・ラーソンの演技が圧巻で、アカデミー賞主演女優賞に輝きました。子役のチャーミングで素の演技にも、目を見張るものがありました。
また本作は、第40回トロント国際映画祭で観客賞を受賞するなど、批評家や観客から高い評価を得ています。
今回は本作に興味がある人向けに、映画「ルーム」のあらすじや観た感想を書いていきたいと思います。
映画「ルーム」の概要と主なキャスト
映画「ルーム」は2015年に”カナダ・アイルランド・イギリス・アメリカ”で制作された作品で、上映時間は118分。ジャンルはサスペンス・ドラマとなっています。
主なキャストとして
- ジョイ・ニューサム(ブリー・ラーソン)…ジャックの母親。7年間、”部屋”に監禁されている。
- ジャック(ジェイコブ・トレインブレイ)…ジョイの息子。生まれてから”部屋”を出たことがない。
- オールド・ニック(ショーン・プリジャー)…母子を”部屋”に監禁している男。
- ばあば/ナンシー(ジョアン・アレン)…ジャックの実の祖母。
- じいじ/ロバート(ウィリアム・H・メイシー)…ジャックの実の祖父。
が挙げられています。
本作は、凄惨なフリッツル事件を基に書かれたエマ・ドナヒューの小説「部屋」を原作としています。
映画「ルーム」のあらすじ
ここから、映画「ルーム」のあらすじを紹介していきます。
①母子は6畳一間の納屋に監禁されていた
ママことジョイ・ニューサムは、5歳になる息子ジャックと6畳一間の納屋に監禁されていた。
彼女は17歳の時から誘拐されてから7年間。天窓からしか外の様子を伺い知ることができない。扉は暗証番号でロックされており、逃げることができなかった。
オールド・ニックと呼ばれる犯人の男が、毎週日曜日に来て、生活必需品を置いていく。反抗しようものなら、彼女は虐待される状況だった。
“部屋”の外・テレビに映る世界が”宇宙”だと思っているジャック。
ママはジャックに本物の世界を見せてやりたいと思っている。しかし、これまで納屋からの脱出を試みたが全て失敗していた。
ママは脱出するために、息子ジャックが高熱だと偽り、病院に駆け込むことを思いつく。
しかし、用心深いオールド・ニックは熱さましの薬を買ってくると言って相手にしない。
そこで、ジャックに死んだふりをさせて、外に連れ出してもらうことにする。ジャックにとって、カーペットに巻かれるのは苦痛だったが、二人が助かるにはこの方法しかなかった。
②”部屋”からの脱出に成功!監禁男は逮捕される
日曜日。いつものようにオールド・ニックが”部屋”にやってきた。ジャックが死んだと泣き叫ぶママ。彼はカーペットに包まれたジャックを担いで外に出た。
ジャックはママに言われた通り、逃げ出すチャンスをうかがった。そして青空をトラックの上で初めて体験した。
交差点にトラックが入って一時停止。ジャックは勢いよくトラックから飛び出して、散歩中の男性に助けを求める。
オールド・ニックに見つかって、”部屋”に引き戻されそうになる。ジャックが泣き叫ぶ。オールド・ニックは殴った後、ジャックを置き去りにした。
散歩中の男性が警察に通報し、ジャックは無事保護された。
ジャックは、自分の名前は言えるが、ママの名前が分からない。優秀な婦人警官が、ジャックの言葉で監禁されていた場所を特定した。
こうして監禁男は逮捕され、ジャックはママと再会した。検査のため入院するが、ママことジョイの両親がすぐに駆けつけてくれた。
ジョイが現実社会に直面して苦難する
このように本作の前半部分では、監禁された納屋からの脱出劇がメインテーマとなっています。
しかし後半部分では、ジョイの苦難に満ちた人生が物語の焦点になっているように感じました。
例えば
- ジョイの両親がすでに離婚しており、じいじ/ロバートがジャックに対して冷たい態度を取る。
- ジョイとばあば/ナンシーが、子育てについて激しい口論を展開する。
- マスコミの取材で、父親の所在・納屋からの脱出方法に関して厳しい意見を指摘される。
などです。
一連の出来事で、ジョイはストレスでノイローゼ気味となり、ついに服薬自殺を図ります。ジャックの叫び声で助かりましたが、彼女は精神的に追い詰められていました。
7年間の監禁で、17歳から時間が止まっていたジョイ。現実世界は耐えがたいものだったようです。
ジャックの「髪の毛」がジョイを救う
西洋文化では好きな人や大切な人に「髪の毛」を贈る習慣があります。日本では考えられない習慣ですが…。
実際ジャックは、長い髪の毛をばあば/ナンシーに切ってもらい、三つ編みにしてもらっています。
ジャックの髪の贈り物によって、入院していたジョイは勇気づけられ、生きていく決心をします。
親子で行きたいところに行って、したいことを楽しむ。やっと自由を手に入れたジョイは、普通の母親になることができました。
“部屋“が物置小屋に変わっていた
ある日「住んでいた“部屋“を見たい。」と言ったジャック。
二人で行くものの、家具はなくなりドアは開けっぱなし。“部屋“はただの狭い物置小屋に変わっていました。
ジャックが思っていた”世界”は、予想以上に狭すぎました。
母子が納屋から去る結末は、過去との決別と再生への道を表しているかのようでした。
映画「ルーム」は実話をもとに書かれたリアルな作品
いかがでしたか。
映画「ルーム」のあらすじや観た感想を書いてきました。
本作は実話をもとに書かれたリアルな作品です。サスペンス映画ですが、母子の納屋から脱出した後の奮闘ぶりの方が印象的でした。
「世界はとても広い。」というセリフが名言で、子役のジェイコブが納屋から脱出して空を見上げるシーンがとても印象的です。
気になる方は、ぜひ手に取って見て下さい。
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