映画『ミリオンダラー・ベイビー』/女性ボクサーの栄光と苦難を描いた

映画

映画「ミリオンダラー・ベイビー」を観ました。

30歳を過ぎたヒロインが、地道な努力でボクシングの頂点まで上り詰めるも、不慮の事故で全身不随になってしまうという哀しいストーリーになっています。

本作品は作品賞を始め、アカデミー賞で4部門を制覇した話題作です。

今回は本作品に興味がある人のために、映画「ミリオンダラー・ベイビー」のあらすじや観て感じたことを書いていきたいと思います。

映画「ミリオンダラー・ベイビー」の概要と主なキャスト

映画「ミリオンダラー・ベイビー」は、2004年に制作された映画。上映時間は133分で、ジャンルはヒューマンドラマとなっています。

主なキャストとして

  • マギー・フィッツジェラルド(ヒラリー・スワンク)…一攫千金を夢見て、田舎から出てきた女性ボクサー。
  • フランキー・ダン(クリント・イーストウッド)…老トレイナーでジムの経営者。
  • エディ・デュプリス/スクラップ・アイアン(モーガン・フリーマン)…ダンのジムの管理人。
  • 「青い熊」ビリー(ルシア・ライカ)…WBA女子ウェルター級チャンピオンのボクサー

となっています。

本作品では、クリント・イーストウッドが監督・共同制作・音楽を務めています。

映画「ミリオンダラー・ベイビー」のあらすじ

ここから、映画「ミリオンダラー・ベイビー」のあらすじを紹介していきます。

①女性ボクサーがジムで黙々と練習をし始める

フランキーは、かつて止血係として活躍した後、トレーナーとしてジムを経営し、多くのボクサーを育ててきた。

しかし彼らの身の安全を考慮するあまり、慎重な試合しか組まないことから、ビッグチャンスを欲するボクサーたちに逃げられ続けていた。

その不器用さは家族にも波及し、実の娘とは音信不通になっている。

フランキーが、最近まで手塩にかけて育ててきたボクサーに逃げられたばかりの頃。1人の女性ボクサーが現れ、フランキーにトレーナーになってくれと願い出る。

彼女の名はマギーと言い、年齢は31歳。プロボクサーとして成功して自分の価値を証明しようとボクシングジムの戸を叩いたのだった。

彼女のやる気は人一倍だが、女性ボクサーを育てる気など更々ないフランキーは断り続ける。

しかし、黙々と一人練習を続ける彼女の才能を見極めたスクラップは、フランキーにトレーナーとなるよう説得する。

②フランキーの下でプロデビューし連戦連勝する

彼女の真摯しんしな態度に心を動かされたフランキーは了承し、彼女を鍛え始める。そして練習を通じてお互いの事を知っていく二人。

マギーは家族の愛を知らずに生きてきた女性。フランキーも最愛の娘に無視され続けている人生だった。

二人の間には、実の親子より強い絆が芽生えていった。

マギーの才能も徐々に開花していき、プロボクサーとしてデビューを飾るに至った。

マギーはフランキーの指導の下、試合に勝ち続けて評判になり始める。あまりの強さから階級を上げることになった。

そしてついに、ウェルター級のイギリス・チャンピオンとのタイトルマッチにたどり着く。

この試合で、カトリック教徒のフランキーは、背中にゲール語で「モ・クシュラ*」と書かれた緑のガウンをマギーに贈る。

マギーがその言葉の意味を尋ねても、フランキーは言葉を濁すだけだった。

③ビッグマッチでマギーが全身不随になってしまう

タイトルマッチの後も勝ち続けるマギー。

「モ・クシュラ」がマギーの代名詞となりだした頃、フランキーは反則を使う相手として避けてきたWBA女子ウェルター級チャンピオン、「青い熊」ビリーとの試合を受けることに決める。

この100万ドルものビッグマッチでは、マギーが優位に試合を進める。

しかし、ラウンド終了後にビリーが放った反則パンチがマギーに当たり、コーナーに合った椅子に首を打ちつけて意識不明の重体に。

マギーは首を骨折して、全身不随の身体になってしまう。

④マギーの尊厳死をフランキーは受け入れる

フランキーはやり場のない怒りと自己嫌悪にさいなまれ続ける。

完治の見込みのないマギーは、家族に見放されたことから人生に絶望し始める。やがてマギーはフランキーに安楽死を懇願するが断られ、自分で舌をかみ切り、自殺を計ろうとする。

マギーは人工呼吸器をしていたものの、脚の壊死で切断も余儀なくされていた。

マギーはフランキーに「プロボクサーとして世界を渡って夢をかなえた。もう悔いはない。」と尊厳死を希望する。

フランキーは、苦しみ続ける実娘のようなマギーへの同情と、宗教的なタブーとのはざまで苦悩する。

悩んだ末、彼女の願いを叶えるという選択をする。

フランキーは、ガウンにつづられた「モ・クシュラ」に込めた気持ちをマギーに伝える。

そして彼は、マギーの人工呼吸器を外し、アドレナリンを過剰投与して、彼女とお別れのキスをするのだった。

その後、彼の姿を見たものはいない。

*モ・クシュラ(Mo Chuisle)とは、ゲール語の親愛を表現する言葉。映画では、”あなたは私の愛しい人、あなたは私の中を流れる血“と訳されています。

映画「ミリオンダラー・ベイビー」は尊厳死をテーマにした重厚な作品

本作品は、尊厳死をテーマにした非常に重厚な作品となっています。

クリント・イーストウッドによる、どこか薄暗さを感じさせる映像の取り方やサウンドが独特です。静かで暗い、そんな感じの切ない音源です。

前半はロッキーを思わせるボクシング映画と思いきや、後半は尊厳死をテーマとした映画に変わっていきます。

特に後半は、ヒロインとトレーナーの胸の痛みがこちらまで響いてくるようでした。

ヒラリー・スワンクの名演技が見どころ

本作では、アカデミー主演女優賞を獲得したヒラリー・スワンクの名演技も見どころです。

例えば

  • ボクシングをしている姿
  • 愛情をフランキーに向ける表情
  • 尊厳死を選ぶ清々しい表情

どれも同一人物とは思えないほどの迫真の演技でした。

ヒラリーの強さとはかなさの同居した演技は必見です。

映画「ミリオンダラー・ベイビー」は不安定な現代を生きる人々に響く作品

いかがでしたか。

映画「ミリオンダラー・ベイビー」のあらすじや観て感じたことを書いてきました。

本作は、不安定な現代を生きる人々の気持ちを揺さぶる映画になっています。

気になる方は、ぜひ手に取ってみてください。

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