映画「シェルブールの雨傘」、何となくタイトルに惹かれて観てみました。
ヒロインのカトリーヌ・ドヌーブに注目しがちでしたが、音楽・ストーリー展開もドラマティックで、様々な感情が押し寄せる、そんな余韻が残る結末でした。
今回は、本作に興味がある人向けに、映画「シェルブールの雨傘」を観た感想を書いてみようと思います。
映画「シェルブールの雨傘」の概要
映画「シェルブールの雨傘」は、1963年に制作されたフランスと西ドイツによる合作映画で上映時間は91分。ジャンルはミュージカル*¹&ラブストーリーになっています。
*¹ミュージカル映画とは、映画のジャンルの一つで、物語に混在して俳優が歌を歌う形式を指す。一般的に歌によって筋を発展させたり、映画上の配役を特徴付けたりする。
「ミュージカル映画」wikipediaより引用
ミュージカル映画といえば、古くは「サウンドオブミュージック」、最近では「ラ・ラ・ランド」などが思い浮かびます。
当時、「シェルブールの雨傘」のサウンドトラックが世界中で大ヒットしていたらしいですが、楽曲を聴いたことがある人は多いのではないでしょうか?
センチメンタルな気持ちになる、そんな印象的なメロディーです。
主演はカトリーヌ・ドヌーブ
主演はカトリーヌ・ドヌーブ。言わずと知れたフランスの大女優です。
ただ、この女優さんの映画はほとんど観たことがないので、いまいちイメージが湧いていませんでした。
この映画を観て、美女は言うまでもなく、演技も上手いなという印象を受けました。若い女性が持ち合わせているクールな態度は、今に通じるところがあります。
今現在、1943年生まれなので、結構いい歳にはなっていますが、まだ女優業は続けているそうです。
映画「シェルブールの雨傘」のあらすじ
ここから、映画「シェルブールの雨傘」のあらすじを紹介していきます。
①ジュヌヴィエーヴの恋人ギイに徴兵令の手紙が届く
フランスの港町シェルブールで、ささやかだけれど美しい恋を育む自動車修理工の若者ギイ(ニーノ・カステルヌオーボ)と傘屋の少女ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーブ)。
恋に恋する年頃のジェヌヴィエーブに未亡人の母エムリー夫人は心配顔。
それでも彼らはデートを楽しむ日々を送っていましたが、やがてギイの元にアルジェリア戦争の徴兵令の手紙が届けられます。
ギイは、伯母とその世話役マドレーヌに別れを告げます。
ギイとジェヌヴィエーブ、別れを惜しむ二人は結ばれるも、ギイはシェルブールを経つことに…
②ジュヌヴィエーヴは宝石商カサールと結婚することに
その後、シェルブールの雨傘店は差し押さえの危機に瀕していました。エムリー夫人は泣く泣く自慢のネックレスを売ることに…。
そのネックレスを買ってくれたのが宝石商の男カサール。彼はそれをきっかけに、ジェヌヴィエーブと親密な関係になっていきます。
ギイとの手紙のやり取りも薄れつつありました。ジェヌヴィエーブは、ギイとの子供がいたにもかかわらず、お金持ちのカサールと結婚することになりました。
③徴兵から戻ってきたギイは荒れてしまう
その後、2年間の徴兵から戻ってきたギイは、伯母とマドレーヌとの会話から、ジェヌヴィエーブがカサールと結婚していたことを聞かされます。
失意のギイは荒れてしまい、お酒や女遊びに入り浸れるのでした。
そんな折、マドレーヌから伯母が亡くなったという知らせがありました。
伯母の世話係だったマドレーヌは、もうこの家にいる理由がないから出ていくと告げました。
しかしながら、身寄りがなくなったギイは「出ていかないでくれ。」と懇願。
④ギイはマドレーヌにプロポーズをする
マドレーヌは、働かないで遊んでばかりいるギイを嫌ってもいました。
マドレーヌの言葉に目が覚めたギイは、お金をためてガソリンスタンドを経営することにしました。
仕事が軌道に乗り始めたころ、ギイはマドレーヌに改めてプロポーズ。
マドレーヌはジェヌヴィエーブの幻影に怯えつつも承諾。
⑤ギイとジェヌヴィエーブが再会する
数年後、ギイはマドレーヌと子供3人で、ガソリンスタンドを経営しながら楽しく暮らしていました。
クリスマスの日、マドレーヌの外出中に一台の車が停まりました。そこにはジェヌヴィエーブと娘フランソワーズが乗っていました。
ジェヌヴィエーブとギイは再会しましたが、もはや以前のような関係ではありませんでした。
お互いの近況を語り合うも、どこかぎこちない会話に終始。雪の中、ジェヌヴィエーブは傘もささずに立ち去ります。
ラストシーン、ジェヌヴィエーブがギイと別れてしまった後悔が垣間見れました。
映画「シェルブールの雨傘」は恋愛関係の移り変わりが丁寧に描かれている
本作では、ギイとジュヌヴィエーヴの恋愛関係の移り変わりが丁寧に描かれています。
最終的に、ジュヌヴィエーヴはカサールと結婚をしてしまいます。
その結果、ギイは荒れてしまうのですが、マドレーヌの存在で失恋から立ち直ります。
ギイは全うに仕事を始めて、結局マドレーヌと幸せな家庭を築きました。
若いジュヌヴィエーヴにとって、2年という月日は長すぎたのでしょうか…二人は結局別々の道で幸せになることになります。
印象的なラストシーンは、恋愛関係の終焉を思わせるものでした。
映画「シェルブールの雨傘」は切ない恋愛模様を描いた名作
いかがでしたか。
映画「シェルブールの雨傘」のあらすじや観て感じたことを書いてきました。
遠距離恋愛。どんなに愛し合っていたとしても続かない…そんなことを思い知らされる切ない作品でした。
時間というものは、人を良くも悪くも変えてしまう…当たり前ですが、この作品はそんなことをさりげなく教えてくれます。
本作に興味のある方は、ぜひ手に取ってみて下さい。
本作を観て、「雨傘が欲しいな。」と思った方はこちらをどうぞ♪
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