映画「ドリーム・シナリオ」承認欲求がもたらす危険性について考察する

この記事は約12分で読めます。

今回紹介する作品は、映画「ドリーム・シナリオ」です。

現代はSNSの普及により、誰もが有名人になり得る時代になりました。「注目されること」「承認されること」はある種の快感を伴います。

しかし、その代償として「炎上」という現象が生まれ、人々の人生を大きく左右させる力を持つようになっています。

本作は、そうした現代的なテーマを突飛な設定で描いた作品です。

この記事では、映画『ドリーム・シナリオ』のあらすじや、承認欲求とその裏にある危険性について考察していきます。

映画『ドリーム・シナリオ』予告編

映画「ドリーム・シナリオ」のあらすじ

大学で生物学を教える中年教授ポール・マシューズは、ごく普通の暮らしをしていた。

ある日、何百万という人々の夢の中に一斉にポールが現れ、一躍時の人に。

人々にもてはやされ、メディアの注目を集め、夢だった本の出版まで持ちかけられ、ポールは天にも昇る気持ちだった。

しかし、そんな夢のような日々は突然終わりを告げる。

夢の中のポールが様々な悪事を働くようになり、現実世界で大炎上。状況は一変する。

ポールは一気に嫌われ者になり、悪夢のような日常が始まる…。

映画「ドリーム・シナリオ」の概要と主なキャスト

出典:「TSP映画

映画「ドリーム・シナリオ」は2023年にアメリカで制作された作品で、上映時間は102分。ジャンルは、ブラックコメディ・風刺・ドラマとなっています。

映画「ドリーム・シナリオ」の主なキャストは以下の通りです。

  • ニコラス・ケイジ(ポール・マシューズ役)…大学で生物学を教える中年教授。生徒の夢の中に登場して、一躍時の人になる。
  • ジュリアン・ニコルソン(ジャネット・マシューズ役)…ポールの妻。彼女の夢の中にポールが現れないことを不思議に思う。
  • マイケル・セラ(トレント役)…バイラルマーケティング会社のトップ。時の人となったポールに本の出版を打診する。
  • ジェシカ・クレメント(ハンナ・マシューズ役)…ポールの長女。
  • リリーバード(ソフィー・マシューズ役)…ポールの次女。

本作は、A24スタジオとアリ・アスターという話題性のある制作陣による作品として注目を集めました。

監督は、アリ・アスターがその才能を絶賛した北欧の異才クリストファー・ボルグリが務めています。

映画「ドリーム・シナリオ」のネタバレ考察

映画「ドリーム・シナリオ」は、承認欲求が暴走した現代社会の危険性を、夢という非現実的な設定を通して描いた警告的な作品です。

主人公ポールの体験は、現代のSNS社会における「バズる」現象と「炎上」の構造を巧妙に表現しています。

ポールは自分では何もしていないにも関わらず、他人の夢という完全にコントロール不可能な領域での出来事により、一夜にして有名人となり、そして転落していきます。

映画の前半では

  • ポールが夢に現れることで一躍”時の人”になる
  • 本の出版契約やメディア出演のオファーが来る

しかし後半では

  • 夢の中での暴力的な行動により、ポールは社会から排除される
  • 家族からも見放され、職を失い、外出すら困難になる

このような明暗は、現実の炎上被害者が経験する社会的制裁と似ています。

映画「ドリーム・シナリオ」は、SNS社会における承認欲求の罠と、それに飲み込まれてゆく人間の愚かさや悲劇性を描いています。

映画「ドリーム・シナリオ」を観た感想

映画「ドリーム・シナリオ」は、現代社会の歪みを鋭く突いた傑作であり、深い考察を促す作品といえます。

本作が優れているのは、荒唐無稽な設定でありながら、現実社会で起きている問題を的確に捉えている点です。

ニコラス・ケイジの演技が秀逸で、平凡な男性が突然注目を浴び、そして転落していく過程を説得力を持って表現しています。

例えば

  • 生徒との関係が悪化すると無力になっていく様子
  • 妻や娘との関係がギクシャクしていく過程
  • 自分は何もやっていないのに勝手に人生つぶされる」という被害者の心境

このように、映画全体を通して感じられる理不尽さには、もやもや感が残ります。

ネットやSNSで活躍する人ほど、誹謗中傷やバッシングを受けている姿と重なる面もありました。

映画「ドリーム・シナリオ」考察まとめ

映画「ドリーム・シナリオ」は、承認欲求と現代社会の危険性を描いた物語であり、私たちに重要な教訓を与える作品です。

SNSの普及により、誰でも一瞬で有名になり、同時に炎上のリスクも背負う時代になりました。

承認欲求は人間の基本的な欲求ではありますが、それが暴走した時の危険性を、本作では見事に引き出しています。

例えば

  • ポールを賞賛していた人々が、状況が変わると一転して攻撃的になる様子…SNSで日常的に見られる光景
  • ポールが自分の意志とは無関係に夢に現れ続けるという設定…インターネット上に拡散された情報が制御不能になる現象と酷似している
  • 家族関係の悪化や社会的孤立…現実の炎上被害者が経験する社会的制裁と重なる

このように、映画「ドリーム・シナリオ」は、フィクションとリアリティを兼ね備えた優れた作品です。

本作は、現代を生きる私たちにとって、承認欲求への向き合い方やメディアリテラシーの重要性を考える機会を与えてくれます。

「ドリーム・シナリオ」が提起する問題は、今後もますます重要性を増していく根深い課題だと感じています。

本作が気になる方は、是非手に取ってみてください。

承認欲求や自己肯定感に関する本も貼っておきます。映画の内容とリンクしているので、参考にしてみてください。


「嫌われる勇気」では、「承認されなくてもいい」という逆説的な幸福論が散りばめられています。


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