今回紹介する作品は、映画「フィールド・オブ・ドリームズ」です。
野球を題材にしながらも、「夢・信じる力・父と子の絆」といった普遍的なテーマを描いた感動作品です。
ファンタジー要素がありながら、心が揺さぶられる本作は、単なるスポーツ映画に収まりきらない深いメッセージが込められています。
この記事では、映画「フィールド・オブ・ドリームス」のあらすじや、本作に秘められた意味や隠されたメッセージを徹底考察していきます。
映画「フィールド・オブ・ドリームス」のあらすじ

アイオワ州で農場を営むレイは、ある日の夕方、トウモロコシ畑で謎の声を聞く。
彼は「それを作れば、彼が来る」(If you build it, he will come)という不思議な声を耳にする。
その声の出どころも分からぬまま、彼は野球場の幻を見る。彼は突き動かされるように、自分のトウモロコシ畑を潰し、野球場の建設を決意する。
やがてその球場には、かつて八百長事件で球界を追放された伝説の名選手シューレス・ジョー*が現れる。
レイは信じられない光景を目の当たりにしながらも、シューレス・ジョーと野球を始めることに。
あくる日、シューレス・ジョーとチームメイト達は、野球場で数十年ぶりの野球を楽しむ。その姿はレイ一家にしか見ることができない。
レイは不可解な現象に戸惑いながらも、さらなる不思議な声「彼の痛みを癒せ」(Heal his pain)を聞き、その意味を考察する。
声の導きに従い、彼は新たな出会いと旅に身を投じてゆく。それは過去の後悔と向き合い、自分自身を赦すための旅でもあった。
愛称*シューレス・ジョー(Shoeless Joe)とは、マイナーリーグ時代に新しいスパイクが足に合わず、マメが出来てしまったため、スパイクを履かずに靴下のままプレーしたことが由来。選手名はジョー・ジャクソン。
1911年に新人最多安打記録233安打を放ち、2001年イチローに更新されるまで、90年間記録を保持し続けた。
映画「フィールド・オブ・ドリームス」の概要とキャスト紹介

映画「フィールド・オブ・ドリームス」は1989年にアメリカで公開された作品です。上映時間は107分で、ジャンルはファンタジー・ヒューマンドラマとなっています。
主なキャストとして、以下が挙げられています。
- ケビン・コスナー(レイ・キンセラ役)…本作の主人公。トウモロコシ畑で農場を営んでいたが、不思議な声の影響で野球場を作り始める。
- エイミー・マディガン(アニー・キンセラ役)…レイの妻。レイが野球場を作ることを後押しする。
- レイ・リオッタ(シューレス・ジョー役)…何十年ぶりに蘇ってユニフォーム姿で球場に現れた伝説の名選手。
- ジェームズ・アール・ジョーンズ(テレンス・マン役)…隠遁していた作家。
- ドワイヤー・ブラウン(ジョン・キンセラ役)…レイの亡き父親。
ちなみに本作は、W・P・キンセラの小説「シューレス・ジョー」を原作にしています。
映画「フィールド・オブ・ドリームス」のネタバレ考察
ここからは、映画「フィールド・オブ・ドリームス」のネタバレ考察をしていきます。
本作で最も重要なテーマは、亡き父親との再会です。
物語が進むにつれて明らかになるのは
- 「それを作れば、彼が来る」の”彼”とはシューレス・ジョー
- 不思議な声の正体はレイの父親
- 「彼の痛みを癒せ」の”彼”とはジョン・キンセラ
ジョンは、かつてメジャーリーグを目指していましたが、叶えることができませんでした。その夢を息子に託そうとしましたが、レイは反発しました。
ケンカ別れしたレイにとって、ジョンに再会することなく、妻や孫娘の姿を見せられなかったことが心の傷になっていたようです。
ただ「彼の痛みを癒せ」という不思議な声に導かれて、レイは父親ジョンと最終的に再会することができました。
結局ハッピーエンドになったのは、良き理解者テレンス・マンとの出会いが、大きな要因と考えられます。
映画「フィールド・オブ・ドリームス」の意味とは?

映画「フィールド・オブ・ドリームス」の意味を理解するには、表現されなかった「暗喩」「象徴」に注目する必要があります。
「フィールド・オブ・ドリームス」を直訳すると「夢を追い求める場所としての野球場」になります。ただ劇中での意味として捉えると「過去を癒して未来を受け入れる勇気を持つこと」です。
野球場は単なるファンタジーの舞台だけではありません。
- レイの後悔
- 父親ジョンとの未完の関係
- シューレス・ジョーの未練
- テレンス・マンの再生
これら全てが過去の清算と希望につながっています。
また
- 声の正体
- レイが出会う人達
- 最後に列をなす観客
レイだけでなく、他の登場人物も“失ったもの”を取り戻す象徴として描かれています。
映画「フィールド・オブ・ドリームス」を観た感想
映画「フィールド・オブ・ドリームス」で最も印象的だったのは、親子のキャッチボールのシーンでした。
言葉ではなく、ボールを通じて交わされる対話には、感慨深いものがありました。このような結末に多少違和感がありながらも、時代を超えた何気ない交流は感動的です。
そのため、本作は単なるファンタジー映画としてではなく、「共感の物語」として多くの人の心に残る名作になったと思われます。
特に中年以降の世代にとって、過去とどう折り合いをつけるかという問いに寄り添う一本となっています。
映画「フィールド・オブ・ドリームス」考察まとめ

この記事では、映画「フィールド・オブ・ドリームス」のあらすじ、本作に秘められた意味や隠されたメッセージなどを考察してきました。
本作は野球というテーマを扱いながら、人が抱える後悔や願い、そして再生の物語を描いています。
レイが「不思議な声」を信じて行動した結果、シューレス・ジョーとの出会いや亡き父親との再会が叶うという不思議な物語です。
このようにファンタジー要素が強めながらも、何かを信じるというスピリチュアルな観点は、合理性を重んじる現代社会においても少なからず必要だと思いました。
そのため、本作は何度観ても新たな気づきや感動を与えてくれます。
気になる方は是非、手に取って鑑賞してみてください。
本作のサントラも大好評です。
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