先頃、タレントのりゅうちぇるさんが亡くなられましたね。
自死という悲劇的な終わり方でショックを受けた人も多かったのではないでしょうか?
ぼくもyoutubeの対談動画を見る限り、とても気配りが上手な方だったのでとても残念です。
そんな時に思い出した本があります。クリスティン・ネフさんの書かれた「セルフ・コンパッション」という本です。セルフ・コンパッションの効果を知っていれば、自分を大切にすることが可能になります。
今回はセルフ・コンパッションについて知りたい人向けに、セルフ・コンパッションのやり方について、著書から簡単に紹介したいと思います。
そもそもセルフ・コンパッションとは?
そもそもセルフ・コンパッションとは一体なんでしょうか?
セルフ・コンパッション(seif-compassion)とは、自らの欠点や失敗、または人生における様々な苦しみに直面したときに、自分自身への思いやりを実践することである。
「セルフ・コンパッション」wikipediaより引用
他人への思いやりは分かりやすいですが、自分自身への思いやりとなると実践するの、なかなか難しそうです…。
セルフ・コンパッションの構成要素
セルフ・コンパッションには3つの主要な要素で構成されていると、クリスティン・ネフさんは言っています。
①自分に優しくすること
まず一つ目の構成要素が、自分に優しくすることです。
本書では、自分に優しくする最も重要な方法のひとつは、批判的なひとりごとを変えることであると書かれています。
自分に話しかけるときには、批判的な言葉ではなく共感的な言葉を使うことが重要だと強調しています。
そうするためには
「セルフ・コンパッション」 クリスティン・ネフ著より引用
- 自分が今、何を観察している?
- 自分は今、何を感じている?
- 自分は今すぐ、何を必要としている?
- 自分には、自分自身やほかの誰かに頼みたいことがある?
これら4つの質問をすることで、私たちは自分が今もっとも必要としていることに、耳を傾けられるようになります。
また著書では、自分に優しくするための具体的なエクササイズが2つ挙げられています。
エクササイズ1…セルフハグ
ひどい気分のとき、手っ取り早く自分を落ち着かせて慰めたいとおもったら、自分を優しくハグします。
身体的接触がオキシトシンの分泌を促し、安心感を生み、落ち込んだ感情を癒し、心疾患系のストレスを軽減することが研究によって指摘されています。
緊張や動揺、哀しみ、自己批判を感じていることに気づいたら、自分で自分を温かくハグし、腕や顔をさするなり、体をそっと揺するなりしましょう。
苦しんでいる時、少なくとも一週間、一日に数回は自分をハグしてみましょう。
「セルフ・コンパッション」クリスティン・ネフ著より引用
これぐらいなら、簡単にできそうですね。
エクササイズ2…批判的なセルフトークを変える
このエクササイズは、数週間は続けて行う必要があります。そうすれば、自分との向き合い方を長期的に変えていくための青写真ができあがります。
最初に
自分との向き合い方を変えるための第1ステップは、自分が自己批判的になっている時、そのことに気づくことです。
「セルフ・コンパッション」クリスティン・ネフ著より引用
次に
自己批判の声を和らげるように、積極的に努力します。ただし、そうするときは、自分自身を裁くのではなく、思いやりの気持ちを忘れないことです。
「セルフ・コンパッション」クリスティン・ネフ著より引用
最後に
内なる批評家の意見を、友好的かつ肯定的で優しいものになるように再構成します。
どのような言葉を使ったらいいのか思いつかないときは、とりわけ思いやりのある友人だったら、この状況に置かれた自分にどういう言葉をかけてくれるかを想像するといいでしょう。
「セルフ・コンパッション」クリスティン・ネフ著より引用
このような手順で行います。
②共通の人間性を意識すること
二つ目の構成要素は、共通の人間性を意識することです。
共通の人間性について理解していれば、自分の力不足もがっかりする感覚が、万人に共通のものであることを忘れません。
自己憐憫とセルフ・コンパッションは似て非なるものです。
自己憐憫は「かわいそうな私」と言うが、セルフ・コンパッションは誰もが苦しむことを覚えていて、慰めを差し出す。
というのも、誰もが人間だからである。私がつらいときに感じる苦痛は、あなたがつらいときに感じる苦痛と同じである。きっかけや状況や苦痛の程度は異なっていても、そのプロセスは同じである。
「セルフ・コンパッション」 クリスティン・ネフ著より引用
「ほしいものがいつも手に入るとは限らない」。そう歌ったローリング・ストーンズも例外ではありません。
③マインドフルネス
三つ目の構成要素は、マインドフルネスです。
マインドフルネスとは、今この瞬間に起きていることをはっきりと見て、判断を加えないで受け入れることを言います。
言い換えると、「現実に真正面から向き合うこと」を意味します。
著書では、マインドフルネスを実践するための具体的なエクササイズが3つ挙げられています。
エクササイズ1…注目する
「注目」の実践は、マインドフルネスを上達させるための重要なツールとされています。
特定の考えや感情・感覚が湧き上がってきたときに、心の中で静かにそれに注目するのです。こうすることで、今体験していることに、これまで以上に気づいていられるようになります。
このエクササイズは、10分から20分ほど楽な姿勢で座って行います。ゆったりとくつろいで目を閉じ、考えや感情、匂い、音、その他の身体的感覚など、気づいたことはなんであれ、とにかく注目します。
「セルフ・コンパッション」 クリスティン・ネフ著より引用
瞑想に近い状態ですね。スマホの通知などもスルーしておくことが賢明です。
このスキルが身につけば、厄介な状況に対する効果的な取り組みに必要な精神的な観点も持てるようになるそうです。
エクササイズ2…マインドフルに苦痛と取り組む
マインドフルネスとセルフ・コンパッションは苦悩の軽減に役立つようです。以下のちょっとした実験を通して観察しましょう。
1.数秒の間、氷片を1個、手に握ります。氷の冷たさは、ごく普通に反応し、不快感を我慢できなくなったら、氷を下に起きます。
不快感がどれくらい強かったか、氷を下に置くまで、どれくらい長く氷を握っていられたかに注目します。
2.次にもう一方の手に、数秒間、氷片を握ります。今度は不快感があっても、それに抵抗しないようにします。
冷たい、焼けるような感じ、ヒリヒリする、などにマインドフルな状態で注目します。不快感を我慢できなくなったら、氷を下に置きます。
「セルフ・コンパッション」 クリスティン・ネフ著より引用
実験を終えたら、二つの体験を比較します。
苦痛に抵抗しなかった場合
- 氷を長く握っていられたか
- 不快感の強度は低下したか
- 「苦悩する=苦痛を感じる×抵抗する」を経験的に支持できたか
をチェックします。
エクササイズ3…日常生活におけるマインドフルネス
あなたは、一日の活動の時、何をしている時にマインドフルでいる練習をしようと思いますか?
例えば
- 歯磨きをしている時
- 職場に向かっている時
- 朝食を食べている時
活動をひとつ選びましょう。
たとえば、駐車場からオフィスに向かって歩いている時にマインドフルになろうとするなら、歩きながら、今この瞬間の実際の体験に意識を集中させます。
歩くという体験について、できるだけ多くの側面に気づけるようにしましょう。
「セルフ・コンパッション」 クリスティン・ネフ著より引用
このエクササイズは、注意力の向上とマインドフルネスの筋力の増強です。
これがゆくゆく、困難な状況が発生した時に役立ち、厄介な感情に気づいても、それらから逃げずにいられるようになります。
セルフコンパッションのやり方は色々あるので、個々に合ったやり方を見つける
いかがでしたか。
セルフ・コンパッションのやり方について著書から簡単に紹介してきました。
記事で紹介した他にも、セルフ・コンパッションを実践する上で効果的な方法が、本にたくさん書かれています。
セルフ・コンパッションのやり方は色々あるので、個々に合ったやり方を見つけるのが良いと思います。
興味があれば、ぜひ手に取ってみて下さい。
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