映画『ポセイドン・アドベンチャー』/転覆した豪華客船からの脱出を試みる

映画

映画「ポセイドン・アドベンチャー」を観ました。

この映画は72年公開の大ヒット作品で、パニック映画の先駆けと言われています。

本作は、アテネ行きの豪華客船ポセイドン号が転覆します。乗客のほとんどが死亡した大事故を元に、生き延びるため勇気を持って行動した乗客たちの脱出劇が描かれています。

今回は、本作品に興味がある人向けに、映画「ポセイドン・アドベンチャー」のあらすじと観て感じたことを書いてみたいと思います。

ポセイドンとは一体何⁉

そもそもポセイドンとは、一体何でしょうか?

ポセイドーン(古希: ΠΟΣΕΙΔΩΝ, Ποσειδῶν, Poseidōn)は、ギリシア神話の海と地震を司る神である。オリュンポス十二神の一柱で、最高神ゼウスに次ぐ圧倒的な強さを誇る。海洋の全てを支配し、全大陸すらポセイドーンの力によって支えられている。地震をもコントロール出来るとされる。また、地下水の支配者でもあり、泉の守護神ともされる。

日本語では長母音を省略してポセイドンとも呼ぶ。

ポセイドーン」wikipediaより引用

この映画では、ギリシャ神話の海の支配者で、地震や竜巻をもたらす短気な神と表現されています。

nishimiya
nishimiya

ポセイドンは罪深い存在ですね…。

映画「ポセイドン・アドベンチャー」の概要と主なキャスト

映画「ポセイドン・アドベンチャー」は1972年に制作された映画です。上映時間は117分で、ジャンルはパニック映画となっています。

主なキャストとして

  • スコット牧師(ジーン・ハックマン)…この映画の主人公。「神は勇気をもって行動するものだけを助ける」を信条とする牧師。
  • マイク・ロゴ(アーネスト・ボーグナイン)…血気盛んな刑事。スコットとはそりが合わず、反発することが多い。妻のことを心から愛しており、恋人になる前、売春を辞めさせたくて6回も逮捕したというエピソードがある。
  • リンダ・ロゴ(ステラ・スティーヴンス)…ロゴの妻。元売春婦だったが、ロゴになんども逮捕されるうちに愛を育み結婚。気が強い。
  • マニー・ローゼン(ジャック・アルバートソン)…老紳士。妻と共に、孫に会いに行くために乗船。
  • ベル・ローゼン(シェリー・ウィンタース)…マニーの妻。孫に会うために乗船。今は太っているが、若い頃は水泳選手で、潜水協議で優勝したことがある。
  • ジェームズ・マーチン(レッド・バトンズ)…雑貨店を営んでいる。控えめな性格だが、事故を通していざという時に頼りになる存在へと成長する。
  • ノニー(キャロル・リンレイ)…兄と共に船内バンドとして乗船。事故の第一撃で兄を亡くし絶望に暮れていたが、マーチンの励ましにより、脱出組に参加することに。
  • スーザン・シェルビー(パメラ・スー・マーティン)…思春期の少女。ヨーロッパに着いている両親に合流するため、弟と二人で乗船。スコット牧師に好意がある。
  • ロビン・シェルビー(エリック・シーア)…スーザンの妹。乗船中に船員と仲良くなり、船の構造に詳しくなる。
  • エイカーズ(ロディ・マクドウォール)…ポセイドン号の船員。事故の第一撃で片足を負傷。

が挙げられています。

ちなみに、上記の10人は船底への脱出組になります。

映画「ポセイドン・アドベンチャー」のあらすじ(ネタバレ)

この映画のあらすじは、豪華客船が津波でパニック状態になる様子が克明に描かれています。

①豪華客船が津波でパニック状態に

乗船中のある日、嵐の影響もあって船長はポンプの修理で手一杯だった。

バラスト不足のため、航海士の判断で微速前進していたが、船長代理人が全速前進を命じる。やむを得ず、航海士は全速前進に切り替えた。

しかしその後、海底に大規模な地殻変動が起きてしまう。その影響で、巨大うねりが船に近づいてきた。

全速前進の船に津波が直撃!

豪華客船のホールでは年末年始のパーティーが行われていたが、船は大きく傾き始める。パニック状態になる人々をよそに、ついに船が真っ逆さまに…。

人々は次々と船内から天井に落下

まさに壊滅的かいめつてきな状況だった。

②ホールからの脱出を試みる

ホールでは、このまま救助がくるまで待とうという事務長に対し、スコット牧師は異議を唱える。

乗客のジェームズ・マーチンも「上下さかさまになっているなら、救助隊は船底側にくるのでは。」と意見する。

マーチンは最初の転覆てんぷくで兄を亡くした船内バンドのノニーを見つける。生きる希望を失った彼女をマーチンは勇気づけ、脱出組に参加させる。

他にもロビンと彼の姉スーザン、刑事のマイク・ロゴとリンダ夫妻マニー・ローゼンとベル老夫妻が脱出組に参加することになった。

スコットは上の階に取り残されていた船員エイカーズの助けを借り、ホールの巨大クリスマスツリーをはしごにして脱出組を登らせていく。

上に上がり、再度スコットは乗客を説得したが、みんな事務長の指示に従ってしまう。

仕方なくスコットが先に進もうとした。その時大爆発が起こり、ホールに大量の海水が流れ込んでくる。乗客たちはパニック状態でツリーに上り始めたが、人数が多すぎてツリーは倒れてしまう。

③船首に行くか、それとも船尾へ行くか

結局、生き延びたのは脱出組の10人だけになった。

スコットは調理場から従業員通路を通って機関室へ行く計画を立てる。調理場を通ると、換気塔を登る必要があった。はしごの下は水で渦巻いている。落ちれば助からないだろう。

スコットを先頭に順番に上に登っていくが、途中で船が揺れ、足を負傷していたエイカーズが落ちてしまう。足のすくんでしまったノニーをマーチンが手助けする。

9人になった一行は、他の生存者たちが船医に誘導されて船首へ歩いていくのを見つけた。スコットは「船首は危ない!」と警告するも、船医は船尾側の機関室は爆発したと話す。

どちらの言い分が正しいのか。ロゴと喧嘩になったスコットは、1人で船尾の様子を見に行くことにする。スコットは15分経っても戻らない場合、船首に移動するように助言していた。

スーザンはスコットを追い、2人で抜け道を探す。通れそうなハッチを見つけ、スコットは中に入る。

約束の15分が経ったがスコットが戻らない。どうするか協議しているうちに、スコットが抜け道を見つけ戻ってくる。一行はハッチを通って機関室へ続く通路にたどり着く。

しかしそこは水の底に沈んでいた。

④ベルはスコットを助けるも急死

スコットは水の中をもぐって向こう側に行けるはずだと言い張る。

まずは、スコットがロープを向こう側につけに行くことに。スコットが水の中に潜って泳ぐも、途中で鉄板に挟まってしまう。ロープの動きが止まり、残された一同は不安にかられる。

昔潜水の選手として優勝経験もあったベルは、スコットを助けるため、自ら水の中に飛び込んだ。ベルは鉄板をどかし、スコットと共に向こう側にたどり着く。

ほっとしたのも束の間、ベルが突然苦しみ倒れてしまう。心臓発作を起こしてしまったのだ。ベルの死を見届け、スコットは「この人の命までも奪うのか…。」と嘆く。

残された一行も、スコットの待つ方へロープ伝いに泳いでいく。マニーは泳ぎ着いた先で、妻ベルの死を知る。

マニーは一瞬生きる希望を失ったかに見えたが、ベルが大事にしていたメダルを手に、ベルに別れを告げ一行の後を追っていく。機関室まではあと少し。

⑤決死の救出劇で助かるのは!?

一行は機関室の一歩手前の部屋まで来た。順番に、細い渡り板から上空に赤いバルブのある通路を通り、機関室のドアへ向かおうとする。

しかし、また爆発が起こり船が突然揺れる。その影響で、リンダが燃え盛る炎の中に落ちてしまう

妻を亡くしたロゴは打ちひしがれ、どうしようもない怒りをスコットにぶつける。スコットはただただ黙って聞いているしかなかった。

船の爆発の影響で、赤いバルブのところから熱い蒸気が噴き出した状態になっていた。

スコットは神を呪い、赤いバルブにぶら下がった。熱さに耐えながら、スコットは少しずつバルブを閉じていく。ついにバルブが閉まり、蒸気が止まる。

だがスコットの体力は限界だった。ロゴにあとの先導役を託し、スコットはそのまま落下し、炎と水の中に落ちていったのだった

落ち込むロゴはマーチンに奮い立たされ、先導役を引き受けることに。リンダとスコットの亡骸なきがらを残し、6人になった一行は機関室へたどり着いた。すぐ上の壁は船底。

上の方から何か音がする。

「きっと救助隊だ!」ロゴ達は何度も船底を叩き、ついに救助隊が音に気づく。スコットの主張は正しかったのだ。船底に穴があく。

その結果、6人は無事ヘリコプターで救出されたのだった

映画「ポセイドン・アドベンチャー」は最後まで緊張感が途切れない人間ドラマ

映画「ポセイドン・アドベンチャー」は、パニック映画でありながら、れっきとした人間ドラマでもあります。

乗客一人ひとりに確かなドラマが存在しており、脱出する過程で苦難と成長を感じられます。

大津波の描写も恐ろしく、実際の映像と見間違えるほどの大迫力でした。天地が完全にひっくり返った船内で繰り広げられる脱出劇は、とてもリアルに構成されています。

誰が亡くなるのか全く予想できない展開だったので、最後まで緊張感が途切れませんでした。

映画「ポセイドン・アドベンチャー」はパニック映画の先駆け

いかがでしたか。

映画「ポセイドン・アドベンチャー」では、主人公スコット含め、名脇役も亡くなるという衝撃の展開に唖然としましたが、結果的に6人の命が救われました。

これをハッピーエンドと取るか、バットエンドと取るかは人それぞれだと思いますが、主人公が亡くなる映画はあまり見てこなかったので、強く印象に残りました。

パニック映画の先駆けで、後の名作映画「タワーリング・インフェリノ」にも影響を与えた作品です。

本作品に興味のある方は、ぜひ観てみてください。

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