『ミッドナイト・イン・パリ』ラスト考察!理想を追い続けた男の行く末

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ウディ・アレン監督の代表作『ミッドナイト・イン・パリ』

一見すると、おしゃれなファンタジー映画です。

ただ、主人公ギルの姿に「なんだか愚かな男だな」と感じることも多い作品です。

彼は「自分は繊細な作家だから女性にモテる」「ミューズに愛される特別な存在だ」という甘い先入観を抱きます。

現実の婚約者を置き去りにして、美女を口説き続ける彼の姿は、痛い男の現実逃避そのもの。

しかし、この「恋の空回り」こそが、本作最大の面白さでもあります。

今回は、女性を口説き続けるギルの愚かさと、彼が辿り着くラストシーンを考察していきます。

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映画『ミッドナイト・イン・パリ』のあらすじ

ハリウッドで売れっ子脚本家として活躍するギル

彼は、本格的な小説家への転身を目指し、婚約者イネズとその両親とともにパリを訪れていた。

しかし、ロマンチストなギルと現実主義なイネズの価値観は全く噛み合わない。

ある夜、酒に酔ったギルが午前0時の街角に佇んでいると、1920年代風のクラシックカーが現れる。

車に乗り込んだ彼が辿り着いたのは、ヘミングウェイダリといった歴史的偉人たちが集う「1920年代の黄金期パリ」だった。

ギルは、そこで出会った魅力的な女性アドリアナに一目で恋に落ち、毎夜タイムスリップを繰り返すようになるが──。

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映画『ミッドナイト・イン・パリ』の主なキャスト

映画『ミッドナイト・イン・パリ』の主なキャストは以下の通りです。

  • オーウェン・ウィルソン:ギル(主人公/小説家志望の脚本家)
  • マリアン・コティヤール:アドリアナ(1920年代のパリで出会う美女)
  • レイチェル・マクアダムス:イネズ(ギルの現実主義な婚約者)
  • マイケル・シーン:ポール(イネズの友人/うんちく好きなインテリ)
  • レア・セドゥ:ガブリエル(パリの骨董品店員)
  • トム・ヒドルストン:スコット・フィッツジェラルド(『華麗なるギャツビー』の著者)
  • コリー・ストール:アーネスト・ヘミングウェイ(豪快な情熱派作家)
  • エイドリアン・ブロディ:サルバドール・ダリ(シュルレアリスムの天才画家)
  • キャシー・ベイツ:ガートルード・スタイン(偉大な作家・芸術家のパトロン)
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映画『ミッドナイト・イン・パリ』のラスト考察(ネタバレ)

ここから本作の、ラスト考察に移ります。

ギルが当初、婚約者の友人にマウントを取られ、居心地の悪さを感じている様子は非常に人間味がありました。

そんな彼にとって、過去のパリで出会う女性たちは「小説家である自分」を無条件に肯定してくれる存在。

そのため彼は、次々と女性を口説き続けていきます。

ただ実際は「自分を天才作家として認めてくれるファンタジー」に酔いしれていただけなのかもしれません。

タイムスリップ先で出会う美女・アドリアナに心を奪われ、どんどん現実を疎かにしていくギル。

「作家にはインスピレーションを与えるミューズが必要だ」と言わんばかりに鼻の下を伸ばす姿は、痛い逃避行そのもの。

口説いてはフラれ続ける様子が彼の哀れなところでした。

現実の課題から、甘い恋愛に逃げ込む彼の姿は、いわゆる「懲りない男」として映ります。

ただ物語の終盤、歴史上の偉人たちや美女との交流を経て、彼はある「決定的な事実」を突きつけられます。

理想の過去も、誰かにとっては退屈な現実だった」という視点です。過去の偉人たちもまた、「過去への幻想」に囚われていました。

彼は、自分の愚かさや痛さから逃げず、泥臭く「現実」を受け入れます。その後に訪れる思いがけないラスト──。

皮肉にもツライ現実を受け入れた瞬間、ギルに幸運の女神が訪れたのです。

映画『ミッドナイト・イン・パリ』を観た感想

映画『ミッドナイト・イン・パリ』の魅力は、繊細なクリエイターの自意識過剰ぶりを、ウディ・アレン監督らしい皮肉とユーモアたっぷりに描いている点にあります。

スマートな主人公ではなく、現実逃避をして女性を口説き続ける男だからこそ、「この痛い男はラストにどうなってしまうの?」と目が離せなくなります。

泥臭く「現実」を受け入れた瞬間に訪れる幸運と爽快感。ラストシーンは、降り注ぐ雨とともに心に深く余韻を残しました。

最後に自意識過剰ぶりを捨てたギル。

結局、執着を手放すことで、心の余裕ができ、その人本来の良さが出るのかもしれません。

それが結果的に幸運を呼び寄せたという解釈ができるからです。

つまりこのような話は、現実でも充分あり得る話だと感じました。

映画『ミッドナイト・イン・パリ』考察まとめ

映画『ミッドナイト・イン・パリ』で女性を口説き続けた懲りない男・ギル。

「作家だからモテるはず」「憧れの時代さえあれば」という甘い勘違いから始まった彼のタイムスリップ。

それは、皮肉にも単なる浮気心を超えた「ある重要な気づき」へと繋がっていきます。

彼を待ち受けていたのは、甘い幻想の終わり。しかし、逃げずに新しい現実を受け入れた瞬間、彼に幸運が舞い込みます。

そのため本作は、痛い男のラブコメディでありながら、観終わった後に「今生きている時間」を大切に思える映画といえます。

未見の方はぜひ、ギルの「愚かで愛おしい恋の行く末」を見届けてみてください。

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