映画『ジョー・ブラックをよろしく』 /青年に入り込んだ死神が恋に落ちる

映画

映画「ジョー・ブラックをよろしく」を観ました。

本作品は、ブラット・ピット演じる青年が交通事故に遭い、記憶を失います。その間に青年に入り込んだ死神が、現実世界で恋に落ちてしまうという不思議なストーリー展開になっています。

主人公のブラッド・ピットによる繊細で儚げな演技が印象的で、後のマッチョなイメージとは程遠い役柄を演じています。

今回は、本作品に興味がある人向けに、映画「ジョー・ブラックをよろしく」のあらすじや観て感じたことを書いていきたいと思います。

1.映画「ジョー・ブラックをよろしく」の概要と主なキャスト

映画「ジョー・ブラックをよろしく」は1998年に制作された作品で、上映時間は181分。ジャンルはラブストーリー・ファンタジーとなっています。長編映画ですが、3時間という長さをほとんど感じさせませんでした。

主なキャストとして

  • ジョー・ブラック(ブラッド・ピット)…地方からニューヨークにやってきた妹想いの青年。人間の肉体を必要とする死神にねらわれ、交通事故に遭う。死神が入り込んだ青年の肉体は、ビルにより「ジョー・ブラック」と名付けられる。
  • ウィリアム・パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)通称ビル。65歳の誕生日を控えている。メディア会社の社長。情に厚く人の心を扱うのが上手い。その能力や人柄を見込まれて、死神のガイド役に選ばれる。
  • スーザン(クレア・フォーラニ)…ビルの娘で外科医。穏やかで優しく、父のお気に入り。恋愛にはドライだった。
  • ドリュー(ジェイク・ウェバー)スーザンの恋人。パリッシュ・コミュニケーションでビルの右腕として働いている。賢いが利己的で、ビルに受けた恩を仇で返そうとする。
  • アリソン(マーシャ・ゲイ・ハーデン)…ビルの娘でスーザンの姉。自分が父のお気に入りでないことは感じているが、家族を愛している。
  • クインス(ジェフリー・タンバー)アリソンの夫。パリッシュ・コミュニケーションの役員。おおらかで素朴な人柄が愛されている。愛妻家。

が挙げられています。

主演のブラット・ピットが、コーヒーショップの青年死神一人二役をみごとに演じ切っています。

2.映画「ジョー・ブラックをよろしく」のあらすじ

ここから、映画「ジョー・ブラックをよろしく」のあらすじを紹介していきます。

①スーザンがコーヒーショップの青年に恋をする

ビルは65歳の誕生日を間近に控えていたが、謎の幻聴に悩まされていた。

大企業「パリッシュ・コミュニケーション」の社長であり、2人の娘、有能な部下たちに恵まれているビル。

今も姉娘アリソンが彼のために、大統領にも引けを取らない誕生日パーティーを計画していた。末娘スーザンはビルのお気に入りで、恋人のドリューもビルの右腕として活躍している。

心配事といえば、最近聞こえる幻聴と、スーザンが恋愛に対して冷めていることぐらいだった。医師のスーザンは、ドリューとの関係にも熱はないが納得していた。恋愛に関する父の説教を聞かされていたスーザン。

しかしある日、立ち寄ったコーヒーショップで、これまでになく好意を感じる青年に出会ってしまう。

田舎から出てきたという青年は、人懐っこくスーザンに話しかけ、コーヒーをおごる。互いに名乗りもせず他愛ない話をしただけで、2人は相手を好きになっていた。

2人は次の約束をしないまま店先で別れ、青年は角を曲がろうとしたところで車に跳ね飛ばされた

②コーヒーショップの青年に扮した死神が現れる

その夜、パーティーの相談を進めるため、ビルの家でディナーに集まる家族の人達。

すると幻聴がビルを襲う。幻聴の主は玄関先に現れ、書斎でビルを待っていた。声の主は死神だった。「自分は死ぬのだろうか?」というビルの問いに「そうだ。」と答える死神。

死神の望みは、最近興味を抱いている人間界をビルにガイドさせること。その見返りとして、ガイド中はビルの命は引き延ばされる。ビルはこの取引を受け入れた。

死神は、魅力的な若い青年の姿をしていた。コーヒーショップにいた青年の身体だった。

ビルは彼を食事の席に参加させ、適当に「ジョー・ブラック」と名付け紹介した。アリソンと婿のクインスは彼を好意的に受け入れた。

しかしスーザンは、朝とは別人のように寡黙なジョーに違和感を抱く。ドリューもまた、恋人と関係がありそうなジョーに不信感を抱いていた。

ジョーは屋敷を探検する。キッチンで見つけたピーナッツバターを大いに気に入った。そのまま迷い込んだプールで、スーザンに出会うジョー。友達になってほしいというジョーに、スーザンも心を開き始めていた。

しかし、ジョーとスーザンが顔見知りだったのは、ビルにとって誤算だった。彼は、ジョーに家族を巻き込まないようにと約束させた。

③ジョーが人間界に慣れ親しんでいく

ジョーはビルの仕事にも付いてまわる。役員会に出席し、クッキーをむさぼるジョーに、ドリューのいら立ちは募っていった。

仕事でもビルとドリューの意見は衝突していた。

会社の成長のために、他社との合併を望むドリューと、自社で新しい事業をすべきだと考えるビル。ビルは残された時間で、人生をかけてきた会社をいかに守れるかに苦心していた。

いらだつビルから追い出され、スーザンの病院へ向かうジョー。ジョーに会ったスーザンは仕事中だったので戸惑っていた。

すると入院患者の老婦人が、ジョーを見ておびえ始める。この世の者でないと感じ取ったのだ。

しかしジョーが悪魔でないとわかると、痛みから解放されるため、あの世へ連れてって欲しいとせがみ始める。ジョーはそういう力はないと断った。

ジョーは人間界で過ごす時間を楽しんでいた。しかし、ビルはスーザンがジョーに惹かれていくことが許せなかった。

④ジョーとスーザンが恋仲になる

ドリューは役員たちを扇動して、ビルを退任にまで追い込んだ。ビル社長は、65歳の誕生パーティーが終わり次第、会社を辞めてもらう。

さらにドリューは、合併先の会社と秘密裏に結託し、パリッシュ・コミュニケーションを解体して利益を得ようとしていた。

一方、スーザンのドリューへの感情は冷め、ジョーとの距離がますます近づいていった。

ジョーもまた、キスの心地よさを知り、スーザンへの愛を自覚していく。二人は結ばれるが、ビルはこの関係を認めるわけにはいかなかった。

ジョーは、自分が何者かをビルに思い出させ脅しをかけるが、娘想いのビルは一歩も引かない。

ジョーは人間界でスーザンとの関係を続けていきたいと願っていた。しかし彼を思いとどまらせたのは、病院で出会った老婦人だった。

老婦人は、「一緒にあの世へ行こう。」とジョーに懇願する。バカンスと同じで、楽しいと思ううちに終わりにしなければならない。

⑤ジョーはビルと共に旅立つことに

ジョーは、ビルとの旅立ちを誕生パーティーの夜に決めた。

パーティーの日、ビルはアリソンやクインスとの最期の会話を楽しみ、心残りをなくしていく。あと話さなければならないのは、スーザンとドリューだった。

クインスに頼み、ドリューを呼び出すビル。ジョーとの関係をいぶかしんでいるドリューに、ジョーが突然正体を明かすと言い始めた。

「自分は国税局の調査員だ。合併先の会社を以前から調べていた。その証拠をつかむためお前を泳がせていた。役員に真実を明かさないと、逮捕だけでは済まなくなるぞ。」

ジョーの発言に対しドリューは負けを認め、電話でこの会話を聞いていた役員たちはビルに謝罪し、彼を社長に戻す手続きを始めた。

一方、ジョーはスーザンも死の世界に連れていこうと考えていた。

その為には、彼女にも自分の正体を明かさなければならない。

しかし、いざスーザンと対面するとなかなか真実を言えないジョー。スーザンはコーヒーショップでの会話を大切に覚えていた。その時に恋に落ちたのだから。

その様子を見たジョーは、スーザンとの別れを決意した。

スーザンもまた、今自分の目の前にいるジョーがコーヒーショップで出会った青年でないことに気が付いた。ジョーは自分を愛してくれた礼を言い、スーザンの元を後にした。

⑤コーヒーショップの青年が生き返る

パーティーは盛大なフィナーレを迎える。

ジョーとの別れを察し、父の心配を理解したスーザンはビルと打ち解ける。

その後、ジョーと共に庭園の橋を渡っていくビル。

スーザンは二人の後を追おうとするが、橋の向こうからジョーが一人戻ってくるではないか。それも何か様子がおかしい。辺りを見回し、自分がなぜここにいるか分からないと言う。

それでも、スーザンを見つけた彼は嬉しそうだった。

嬉々として、コーヒーショップでの出会いについて話し出す。コーヒーショップの青年が戻ってきたのだ

彼は時間をかけて、お互いを知り合おうと言う。スーザンは、あなたを父に紹介したかったと微笑み、彼の手を引いてパーティー会場に戻っていった。

3.若きブラッド・ピットの美しさを堪能できる作品

本作品は、若きブラッド・ピットの美しさを堪能できる作品となっています。

のちのマッチョなイメージとは程遠い、細身のさわやかな青年をみごとに演じています。死神役としての抑制された無機質な演技は必見です。

また、恋人役のクレア・フォーラニの妖艶さアンソニー・ホプキンスの名演技にも引き込まれました。

ストーリーも意外な終わり方で、鳥肌ものの作品となっています。

まとめ

いかがでしたか。

映画「ジョー・ブラックをよろしく」のあらすじや観て感じたことを書いてきました。

本作品はロマンティックファンタジーですが、死をテーマにした奥深い作品にもなっています。

気になる方は、ぜひ鑑賞してみて下さい。

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