【要約】サトマイ著『あっという間に人は死ぬから』/時間を食べつくすモンスターの正体とは?

「気づけばもうこんな年齢…」「もっと時間を大切にすればよかった」

このような感情になる方も多いのではないでしょうか?

日々の忙しさに時間を追われ、やりたいことや大切にしたいことを後回しにしているうちに時間が過ぎてしまう…。

サトマイ(佐藤舞)さん著「あっという間に人は死ぬから」は、人生を無駄にせず、自分にとって価値のあることに時間を使う方法が紹介されている本です。

今回は、本著で述べられている時間を食べつくすモンスターについて要約していきます。

あっという間に人は死ぬから

サトマイ著「あっという間に人は死ぬから」は4部構成

サトマイ著「あっという間に人は死ぬから」は以下の4部構成で成り立っています。

  • 第1章 人生の浪費の正体を暴く
  • 第2章 人生の「3つの理(死・孤独・責任)」と向き合う
  • 第3章 自分の「本心」を掘り下げる
  • 第4章 本心に従って行動する

今回は、本書の肝となる第1章・第2章の内容を要約していきたいと思います。

第1章「人生の浪費」の正体を暴く

第1章は、「人生の浪費の正体を暴く」です。

何に時間を浪費しているかを知れば、無駄な行動を減少させることができます。

生産性をアップする時間術

まず本著から、生産性をアップする時間術の内容や効果を1位~10位まで紹介します。

時間術実用性内容効果
10位:SNSのコントロール65.2カレンダーに1日2回、5分間のSNSタイムを設けるカレンダーに強制されると「今はいいや」という気持ちになる
9位:2分ルール69.62分以内でできるタスクは何も考えずに終わらせてしまう小さなタスクをこなすことによって、重めの仕事に取り掛かりやすくなる
8位:健康的な食事69.6なるべく未加工の食品(タンパク質・ビタミン・食物繊維・脂肪・炭水化物など)を摂取する栄養をバランスよく摂ることで頭が働くようになる
7位:TODOリスト69.6やることをすべて紙に書き出したり
、カレンダーに組み込む
未消化のタスクを記録することで、後で行動に移せるようになる
6位:短い休憩78.2少なくとも1時間に1回程度の休息を取る長時間続けて作業するより、短い休憩を挟んだ方が集中力・生産性が上がる
5位:デバイスのコントロール82.6気が散るデバイス(スマホ・タブレット等)を視界に置かない学力テストの成績が上がる
4位:動く82.6デスクワークが多い仕事の場合、意識的に動くようにする脳の血流が良くなるため、創造的な思考が掻き立てられる
3位:ノーと言う91.3頼まれた物事に対して、積極的な理由を提示して断る自分の価値観で行動できるようになる
2位:優先順位をつける97.5今日のタスクを書き出してやるべき優先順位をつける時間管理がしやすくなる
1位:タイムボクシング100運動や食事、買い物などのプライベートなタスクを含めて、1日の時間割を作るタイムボクシングを使って週40時間働くと、何も考えずに週60時間以上仕事をしたのと同等の生産性が得られる

ランキング中、1位の「タイムボクシング」という言葉は衝撃でした。あのイーロン・マスク氏やビル・ゲイツ氏も使っているようです

実用性も満点なので、学生時代に戻った気分で作成してみてはいかがでしょうか?

ちなみに私は、手帳やグーグルカレンダーを使ってTODOリストを作ることで、時間を意識するようにしています。

時間を奪っていくものの正体とは?

サトマイさんは、人生の根本にある「3つの理」として、死・孤独・責任を挙げています。

これらは避けられない現実であり、私たちの時間の使い方に大きな影響を与える要素です。

ただサトマイさんは、この3つの理を避けるために無意識的に自分にウソをついた行動(自己欺瞞ぎまん)が、間違った時間を生み出していると述べています。

例えば下記が挙げられます。

①死への代価行動

「人は必ず死ぬ」という現実を分かっていたら、その恐怖や絶望感で何もできなくなってしまいます。

そのため、普段の生活では死を忘れた方が都合がいいのです。

その結果、何かに没頭したり熱中して悩まないようになります(ゲームをするなど)。

②孤独への代価行動

人は生まれてから死ぬまでの体験は、他者からは100%理解されません。

そのため、「自分のことを分かってもらえない」という寂しさに耐えなくてはなりません。

その結果、友人やパートナーを求めて寂しさを紛らわせています(浮気を繰り返すなど)。

③責任への代価行動

人は、自由に人生・運命を切り開いていけますが、それには責任が伴います。

にもかかわらず、自分で選択した人生の責任を負いたくないので、自由・責任から逃れようとしがちです。

その結果、他人に決めてもらうことで責任を回避するようになります(他人の評価で一喜一憂するなど)。

上記のような代価行動に費やしていては、人はいつまでも「本命の行動」にたどり着けません。

第2章 人生の「3つの理(死・孤独・責任)」と向き合う

第2章は、人生の「3つの理(死・孤独・責任)」と向き合うです。

この章を読むことで、人生の苦痛や不安との向き合い方を知ることができます。

人生の向き合い方と苦痛への3つの処方箋

人生の向き合い方と苦痛への処方箋として、以下の3つの原則があります。

  1. 変えられないものと変えられるものを区別する
  2. 人生に対して主体的に参加する
  3. 人生に苦は必要である

この3つは、充実した人生を過ごす上で、忘れてはいけない原則とされています。

一つずつ見ていきましょう。

①変えられないものと変えるものを区別する

一つ目は、変えられないものと変えられるものを区別するです。

例えば、変えられないものとして以下があります。

  • 生まれ育った環境
  • 親や親戚
  • 過去の出来事

一方、変えられるものとして以下があります。

  • 住む場所
  • 仕事
  • 友達・恋人

当たり前ですが、変えるべきものに目を向けることで、人生が変化します。

②人生に対して主体的に参加する

二つ目は、人生に主体的に参加するです。先ほど述べた変えるべきものと似ていますね。

実際、幸福度を決定する要因として以下の3つが挙げられます。

  • 遺伝によるもの…50%の相関関係
  • 生活関係や状況…10%の相関関係
  • 意図的な行動…40%の相関関係

遺伝によるものは変えられませんが、私たちの意図的な行動は変えられます。

幸福度の40%を占める意図的な行動とは、「自分の価値観に沿った内的で習慣的な行動」のことです。

例えば、私の場合であれば

  • 健康的な食習慣を持つ
  • Webスキルを高めるため、パソコン作業をする
  • 完璧主義ではなく完了主義にする
  • 良好な人間関係を築く

自分で変えられるものは何なのかを自問自答してみましょう。

③人生に苦は必要である

三つ目は、人生に苦は必要であるです。

「苦痛を逃れて楽に生きたい」は、幸福からは遠ざかる選択になることも多いです。

例えば、運動は身体に負担がかかり、ストレスホルモンが一時的に生成されますが、長期的に見れば人をより健康にします。

充実する時間の使い方として著者は以下の3つを挙げています。

  1. 自分で変えられることに集中する
  2. 自分の価値観など、内発的動機を大切にして行動する
  3. ストレスを自身の成長の糧にする

価値観に沿って行動するには、ACT(アクセプタンス・コミットメントセラピー)という方法が効果的だと書かれています。

下記の本に詳しいやり方が書かれています。

ただ過度なストレスは心身を壊す可能性もあるので、自身に必要なストレスかどうか見極める必要があるかと思います。

サトマイ著「あっという間に人は死ぬから」に出てくるモンスターは心がけ次第で倒せる!

サトマイ著「あっという間に人は死ぬから」に出てくるモンスターは、自分自身の心がけ次第で倒すことができます。

  1. 死・孤独・責任と向き合う
  2. かりそめの平穏に惑わされない
  3. 価値観を見つけ、人生に主体的にかかわる

この3つが「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方です。

これらを意識して実践することで、自己欺瞞を減らし、代価行動を防ぐことが可能になるでしょう。簡単なことではありませんが…。

私も自己欺瞞が少なからずあるので、本書を読むことで減らしていきたいと思えるようになりました。

良書です。ぜひ手に取って読んでみて下さい。

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